ヴィレッジブックスのアメリカンコミックス情報サイト

2013.01. 9

アメコミ番長石川裕人コラム

年が明けてもマニアはマニア

明けましておめでとうございます。
2013年、第1回目のコラムになります。
今年もよろしくお願いします。

仕事始めで出社すると、机の上に段ボールが。
せっかく年末に片付けたのにと思いながら開けてみると、
以前注文していたマテルのDCフィギュアが。
船便なので、忘れた頃に届いた模様。

20130109①.JPG

フィギュア通販は、ENTERTAINMENT EARTHを使用してます。
広い意味では仕事の資料なんだから、会社に積んどいてOK!






マテルのDCフィギュアと言えば、
マニアックなラインナップが魅力だった
「DCユニバース・クラシック」に
バットマン専門の落穂ひろい的な
「バットマン・レガシー」が思い出されますが、
シリーズが20に達したのを機にか、
「DCコミックス・アンリミテッド」と
「バットマン・アンリミテッド」に衣替え。

で、その第1弾が届いたわけですが、
う~ん、もうひと声かなと……。
前者は
「NEW52 スーパーマン」
「NEW52 フラッシュ」
「NEW52 ホークマン」、
後者は
「NEW52 バットマン」
「NEW52 バットガール」
「ペンギン スーパーパワーズ版」
というラインナップ。
6体中、実に5体がNEW52版で、
唯一の例外のペンギンも、
実は「DCユニバース・クラシック」シリーズ1の
リカラーだったりする。

20130109②.jpg


「DCコミックス・アンリミテッド」の3体。翼やらアーマ
ーやらがお得な感じのホークマンに比べ、残りはちょっと
地味。というか、ボーナスパーツが付かなくなったのはか
なり残念。





マニアックなDCフィギュアという意味では
先輩格に当たる、DCコミックスの
マーチャン部門であるDCダイレクトも、
DCコレクティブルズに改名してからは、
NEW52版ジャスティス・リーグとか
全うな売れ線ばかりで、ちょっと辟易してたのに、
それがマテルまでとは……。

こうなったら望みの綱は、
マテルが通販のみで展開している
「DCユニバース・シグネチャーコレクション」のみ。
定期購入を予約すると、毎月、新作フィギュアが
送られてくるという、どこかで聞いたような
サービスですが、2012年度のシリーズでは、
巨大なメビウス・チェア付きメトロンに、
6体中3体でリリースが止まっていた
メタルメン・シリーズを補完する
レッドとプラチナ&ティンとか、
すれたマニアも唸らせるラインナップだったのが、
2013年度版の予告を見る限りでは、
担当者の正気を疑うのは、ドゥーム・パトロールの宿敵、
ムッシュ・マラーとブレインのセットくらい。

20130109③.jpg
去年と今年のマテルのラインナップ。最上段が2012年の
「シグネチャーコレクション」。知らない人が見たら、ただ
の地味なお姉ちゃんなエラスティガールがイカレてて大い
に結構。最下段のウォッチメンは、今年発売される待望の
原作コミック版。DCには許可しないのに、マテルにはOK
出しちゃうアラン・ムーアって……。


20130109④.jpg


DCコレクティブルズの新作「NEW52 グリーンアロー」。い
や、注目のリランチなんだし、出して悪いワケはないんで
すけど、そればっかというのは……。











20130109⑤.jpg




在りし日のDCダイレクトより「ブルービートル」。腹のメタ
ボ具合が絶妙! これだよこれこれ!










20130109⑥.jpg

もう一つ、名作「メタモルフォ」。これぞマニアのマニアに
よるマニアのためのフィギュア。表情といい、豊富な差し替
えパーツといい(左手はガスバーナー)、色味も含めて言う事
なし! ああ、こんなにできる子だったのに……。




何を出したところで買う人間は買うんだから、
どうせなら、これまでも、そしてこれからも
立体化など夢のまた夢というキャラに専念して
いただきたいもの。
一般店で売られるシリーズが、(一応)旬なラインナップに
偏ってしまうのは致し方ないとしても、
マニアしか買わない通販なら、もっと冒険しても
いいんじゃないか……とか思ってよく見直すと、
「セント・ウォーカー」(グリーンランタンの補完)
「エロンゲイテッドマン」(ジャスティス・リーグの補完)
「ファントム・ストレンジャー」(ジャスティス・リーグの補完)
「ラーフリーズ」(グリーンランタンの補完)
「ムッシュ・マラー」(ドゥーム・パトロールの補完)
「フラッシュ/ウォリー・ウエスト」(ジャスティス。リーグの補完)
「レッドフッド」
「キャプテン・マーベルJR.」(マーベルファミリーの補完)
「ハントレス」(ジャスティス・ソサエティの補完)
と、「DCユニバース・クラシック」で宿題になっていた穴を
がんばって埋めようとしていた事に気づき、大いに反省。

1984年に(もう30年近く前!)に
ケナーから「スーパーパワーズ」が出た時は、
Mr.ミラクルのフィギュアを出してくれるなんて
ケナーには足を向けて眠れませんとか感謝してたのに、
すっかり贅沢になれきってしまっていました。
フィギュアの山に埋もれて変わっていく私を
Mr.ミラクルにときどき叱ってもらいます
……って、埋もれて見つからないよ!

20130109⑦.jpg










オッサンマニアの永遠の憧れ「スーパーパワーズ」。30年前
にこのクォリティですよ! あのアレックス・ロスも、アト
リエのガラスケースに大事そうに飾ってました。実際に発売
されたのは33のチュールまでで、最下段のシリーズ4は企画
のみ。にしても、40のビジランテの予定まであったとは! 
個人的には、ほのかに甘そうな色が素敵なマーシャン・マン
ハンターが一番のお気に入り。



20130109⑧.jpg









実はマテルのスタッフも「スーパーパワーズ」の大ファンで
、自社製品による「スーパーパワーズ」ラインナップの再現
がシリーズの裏テーマだったりする。この写真ではまだ未発
売だった29のサムライの穴も今では埋まり、色が違っていた
ロビンにペンギンも、今回の「バットマン・アンリミテッド
」でついに補完完了。残るは色違いのカリバックに、造形が
かっこよすぎるオライオンにMr.フリーズのみ……というか、
みんな「スーパーパワーズ」好き過ぎ!


20130109⑨.jpg






2006年から2011年までのマテル版DCフィギュアが大集合!
うだうだ言ってしまいましたが、こうやって並べられるとも
う圧巻の一言! ここまでやってくれてるのにつべこべ文句
言うなんて、罰が当たるレベルです。今のところ、自分のコ
ンプリ具合は7割5分程度。こうなったら海外オークション
代行に踏み切るしか……ただ、ダブりそうで怖い。アワーマ
ンを買ったかどうかが、どうしても思い出せないんです!

2012.12.25

アメコミ番長石川裕人コラムマーベル・コミックス

【アメコミ新刊】『マーベルゾンビーズ2』

marzom2_cvr_rgb.jpg





























都内のさる書店では、2012年度のアメコミ売上№1になった
『マーベルゾンビーズ』の続編が1年ぶりに登場……
と書いたところで何かおかしいと気づいて調べてみたら、
1巻目の発売は今年の2月だったんですね。
本当に有難い事に、ここのところアメコミの出版が
続いているので、もうゴッチャになっているというか、
でも、去年の12月だと思ってたんですけどねぇ……

先ほども書いたように、他社も含めて、
数ある翻訳コミックスの中で1位になったそうで、
確実に、普段はアメコミを買わない層にも
アピールしているのがうかがえます。

ただ、TVシリーズがあるわけでも、
まして映画が来るわけでもないのに、
ここまで人気を集めるとは、
やはり、マーベルヒーローがゾンビになるという
明快にしてイっちゃってるコンセプトの勝利でしょう。

我らがヒーローが人肉喰らいの怪物になるなんて、
悪ふざけにもほどがあるというか、
ただ、前書きにも書きましたが、ヒーローコミックとして
異色なのはもちろんの事、ゾンビ物としても
常識破りなんです。

一応、ゾンビらしく人間を食べますが、
満腹になると、グズグズ身の上話を始めたり、
牛みたいに反芻で空腹をごまかしたり、
ゾンビ物としても"王道"をそれまくってます。

作家達の悪ふざけは続編でも健在で、
将来の展望として食糧(人間)増産の夢を描いたり、
ゾンビにくせに色気づいたり、夫婦の危機を迎えたり、
もうやりたい放題です。

マーベルゾンビーズの企画自体は、
『アルティメット・ファナタスティック・フォー』から
始まったんですが、その時は、悪知恵は働くものの、
まず、何を置いても人間を食べようという
ゾンビの本分に従っていました。
ところが、それがウケてミニシリーズになった途端、
脱力描写のオンパレード。
まぁ、ライターのロバート・カークマンは
『ショーン・オブ・ザ・デッド』が大好きなそうなので、
『ウォーキング・デッド』ではできない
"笑える"ゾンビ物を追及してるんでしょう。

ところで、こういったおなじみのヒーローが
何か"別の姿"になってしまうというのは、
80年代くらいまでのアメコミの王道パターンで、
色々なパターンがありました。

性別が逆になったり、
①.jpg





















デブったり、
ゾンビ②.jpg





















子供になったり、
ゾンビ③.jpg




















年寄りになったり、
ゾンビ④.jpg




















動物になったり、
ゾンビ⑤.jpg




















アリになったり。
ゾンビ⑥.jpg




















この頃までのアメコミは1話完結がほとんどで、
事件発生→ヒーロー登場→悪役優勢で一回戦終了→
ヒーロー対策を練る→意外な技でヒーロー勝利
というのがお決まりのパターンでした。
ですから、いかにパターン崩しを織り込むかが、
スタッフの腕の見せ所みたいな感じだったのです。
またそれを煽るカバーが秀逸で、
どうせ、ヒーローが勝つとわかっていても、
何度、「えっ!?」と思わされた事か。

とにかく、ヒーローのゾンビ化というのも、
実はアメコミの伝統的文脈に乗っ取っているという事で、
馬鹿な事やりやがってと
食わず嫌いの人も、ぜひご一読をお勧めします。

続きは、またほぼ1年くらい後に。

2012.11.30

アメコミ番長石川裕人コラム

残り14種類……? 復活のキャプテン・アクション

ダークナイト・トリロジーのメイキングが一段落したところで、
フィギュアで現実逃避。
今回、ご紹介するのは、ラウンド2社から発売中のキャプテン・アクション。
ハデな軍人といった風情のキャプテン・アクションのフィギュアに
様々なヒーローのコスチュームを着せ替えて遊ぶという商品で、サイズは1/6。
今のところ、主役のキャプテンと敵役のDr.イビルのフィギュアに加え、
キャプテン用に、スパイダーマン、キャプテン・アメリカ、ソー、
Dr.イビル用にロキの着せ替えコスチュームが発売中。
掲載したソーを見てもらえばわかるように、レトロっぽさ満点で、
とても21世紀も10年以上を経過した時代の商品とは思えません。

①.JPG









着せてみるとこんな感じ。顔はフルフェイスのマスクになっていて、
キャプテンの顔にすっぽり被せます(そのせいか、顔がデカい)。ケー
プには針金が入っているので、好きに形を整えられるのがミソ。


②.JPG









動かすとこんな感じ。中身のキャプテン・アクション自体は、特に変
哲のない1/6フィギュアです。ミョルニアにはちゃんと、このハンマー
を持てるのは~という文言が刻まれています。


③.JPG










パッケージ。キャップにはボーナスパーツとして、旧型のシールドが
付属。こういうところがマニア泣かせ。


④.JPG









同じ1/6のホットトイズ版との比較。同じ時代の商品とは思えません。
でも、キャプテンとコスチュームを合わせると、映画版ソーの2/3くら
いの値段に……。


それもそのはず、ベテランのアメコミ、アメトイファンはご存知でしょうが、
そもそもキャプテン・アクションは、1966年にアイデアル社から発売された
アクションフィギュアで、今回のものは、その再々リニューアルに当たるのです。

1964年にハスブロ社が発売した、元祖アクションフィギュア、G.I.ジョーの
大ヒットを受け、アイデアルが発売したのがキャプテン・アクション。
ミリタリー一色のG.I.ジョーに対し、子供の好きなスーパーヒーローという
テーマで対抗しました。
当時のラインナップは、
 スーパーマン(DC)
 バットマン(DC)
 アクアマン(DC)
 キャプテン・アメリカ(マーベル)
 スパイダーマン(マーベル)
 サージャント・フューリー(マーベル)
 ローン・レンジャー(TV)
 トント(TV)
 グリーンホーネット(TV)
 フラッシュ・ゴードン(新聞マンガ)
 ファントム(新聞マンガ)
 バック・ロジャース(新聞マンガ)
 スティーブ・キャニオン(新聞マンガ)
の13種類。
コミックヒーロー一辺倒ではないあたりが、60年代半ばという時代を感じさせます。
マーベルの顔ぶれが意外にも思えますけれど、創立されてまだ5年といった頃で、
この中に入っただけでも大躍進ではないでしょうか。スーパーマン、バットマンでさえ、
新顔の部類に入る大ベテラン揃いですから(DC、マーベル以外のヒーローは、
大手新聞シンジケート、キング・フィーチャーズ・シンジケートの所属)。

キャプテンの人気に気をよくしたアイデアル社は、翌67年には、敵役のDr.イビルに加え、
サイドキックのアクションボーイ(専用コスチュームとして、ロビン、スーパーボーイ、
アクアラッドを発売)、女の子向けのスーパークイーン(ワンダーウーマン、スーパーガール、
バットガール、メラの4種)を発売し、シリーズの展開を図りましたが、
人気の急落に伴い、早くも68年にはシリーズを終了してしまいました。

⑤.jpg








オリジナルのキャプテン・アクション。顔のモデルは俳優のロバート
・ミッチャムだそうですが(確かにイラストは似てる)、麻薬やらアル
コールやらで問題ばっか起こしてた人を、なんで子供のヒーローに?


⑥.jpg









宿敵のDr.イビル。脳ミソむき出しのデザインがインパクト大。


⑦.jpg









サイドキックのアクションボーイ。連れている黒豹は、ペットのケム。
いい笑顔だ。


⑧.jpg









アクアマンに"変身"したキャプテン・アクション。このシリーズは豊
富なアクセサリーが売り物ですが、足ヒレ……。


⑨.jpg












アクアラッドに"変身"したアクションボーイ。瞳がつぶらすぎる。


⑩.jpg













女の子向けのアクションクイーンより、アクアマンの奥さんのメラ。
着せ替えといえば女の子の遊びなのに、なぜかコスチュームとフィギ
ュアのセットで販売。それにしてもメラとは渋い。ここまでアクアマ
ン推しなのは、67年のアニメ化効果か。


⑪.jpg








実は、シリーズ終盤の68年になって、DCコミックスからコミカライズ
が発売されていたりして。創刊号にはスーパーマンがゲスト出演しま
したが、結局、わずか5号で終了。"変身"能力は描かれず、単なる新
ヒーローという扱いでした。まぁ、変身できるのは、ほとんど他社の
ヒーローなので当然っちゃ当然ですが。ちなみに、今回のシリーズ再
開に合わせてコミックスも再創刊。


⑫.jpg












当時の広告。1人で9役だそう。下の方は、かなりG.I.ジョーを意識
した感じ。


⑬.jpg









スパイダーマンは、トント、バック・ロジャーズ、グリーンホーネッ
トと共に第2期に発売。数が少なかったため、今では滅茶苦茶なプレ
ミアが。


⑭.jpg





愛車シルバーストリークも発売。この写真では伝わりませんが、何と
全長60㎝! やっぱりアメトイはこうでなくては!


ですが、わずか2年半の展開だったにもかかわらず、マニアの人気は根強く、
シリーズ終了から30年を経た1998年には、プレイング・マンティス社から
1回目の復刻が行われ、さらに2011年にラウンド2から再々復刻が行われたのです。

最初の復刻を行ったプレイング・マンティスは、オリジナルの再現を目指しており、
当時は発売されなかったグリーンホーネットの相棒のカトーや、
初のDr.イビル用コスチュームとして、フラッシュ・ゴードンの宿敵である
ミン皇帝のコスチュームを発売してシリーズの補完を図ったものの、
DC、マーベルといったメジャーキャラクターの権利は押さえられず、
2000年には展開を終了してしまいました。

⑮.jpg



プレイング・マンティスから発売されたカトーのコスチューム。激レ
アなグリーンホーネットも再販されたのでようやくコンビが揃えられ
たものの、現在の目で見ると……。


今回のラウンド2は、その反省点を踏まえてか、デザインなども若干、
現代風にリニューアルし、何より、マーベルというメジャーキャラクターの
版権取得に成功。コミコンでの告知によればDCコミックスの権利も
取得したようで、さらなるシリーズ拡大を表明しています。

実際に手に取ってみると、従来の子供向けのテイストは残しつつも、
60~70年代のコミックスの雰囲気を感じさせる造形になっており、
うるさいマニアも納得の出来栄えになっていると言えるのではないでしょうか。
たとえばこのソーだと、パッケージのイラストに、なぜかカービーや
ビュッセマではなく、80年代のサイモンソンの物が使われているんですが、
サイモンソンの連載で印象的だった髭面のソーの頭がオマケで付いていたり、
ソーのヘルメットの羽のデザインがサイモンソン風になっているなど、
"ちゃんとわかってやってるんですよ"感がマニア心をくすぐります。

そんなこんなで買って損はなかったと思いたいところですが、
買ってみて気づいたのがビルドアップパーツの存在。
オマケのパーツを組み合わせるとフィギュアがもう1体できるというアレです。
このシリーズでは、ホークアイのパーツが分割で付いていたんですが、
今回、調べてみてわかったのが、6体でようやくコンプリートという事。
現在の4種に加え、近日発売のアイアンマン、レッドスカル付属のパーツで
完成だというんですが、一つ5000円前後という値段もともかく、
気になるのが、まだその2体の予約が始まらない点。
本当に発売されるの? このまま中途半端なコスチュームだけが
手元に残るなんて事はないよね? という不安に加え、
6体で完成というフォーマットはDC版でも同様でしょうし、
マーベル側でも、今の6体には関係ないウルヴァリンの発売が予告されるわで、
このままで行けば、あと14個は買わなければならない計算に……。

うーん、仕事がんばろう……。


⑯.jpgのサムネール画像







ホークアイのパーツ構成図。ネットで調べて初めて判明したのが、一
番肝心なマスクは、一番人気がなさそうなレッドスカルに付属ぅ……




⑰.JPG










スパイダーマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ロキまで揃えた段階
がこれ。


⑱.JPGのサムネール画像


⑲.jpg






矢にしがみつくアントマン。
これで『アベンジャーズ』#223の表紙が
再現できるという……。
6体全部、揃えればの話ですけど。


追記
と、ここまで読んだ40代以上の方が確実に思い出しているに違いないのが、
日本におけるフル可動ヒーローフィギュアの元祖であるタカラの変身サイボーグ1号。
当のタカラは、ライバルであるG.I.ジョーをライセンス生産していましたが、
アクションボーイにそっくりな少年サイボーグなどの展開などを考えると、
少なからず影響があったはず。

というのも、キャプテン・アクションは日本でも輸入販売されていたそうで、
タカラ関係者が知らなかったとは思えないからなんですが、
そんな事より、日本とキャプテン・アクションの関係において(一部で)有名なのが、
日本版オリジナルコスチュームである"ウルトラマン"の存在。
少年マガジンの紹介記事に、ウルトラマンの写真が掲載されているんです。
その筋のマニアの間では、一般販売はされていないとの見解になっているそうですが、
読者プレゼントはされたらしいので、数体とはいえ世の中には出回ったはず。
もし発掘されればどんな値段がつくのか想像もできませんが、
きっと遊び倒されたあげく捨てられてしまったのでしょう。
まぁ、子供のオモチャなんですからそれが当たり前なんですけれど、
この世からまるっきり消えてしまうのももったいない話というか、
こういうのが、向こうのコレクターの言う"ホーリー・グレイル"なんでしょうね。


⑳.jpg





日本版キャプテン・アクションともいうべき変身サイボーグ1号。こ
ちらも根強いファンが多いですね。G.I.ジョーから派生したサイボー
グがミクロマン、ダイアクロンに繋がり、トランスフォーマーに行き
着いたわけで、世界の玩具史においても重要な存在です。


21.jpg














幻のキャプテン・アクション版ウルトラマン。よく見ると、「いまテ
レビで大かつやく」「ねだん千七百円」の表記が。"いま"という事は
、ウルトラマンが放映されていた66年7月から67年4月の間の記事と
いう事? それにしても、66年当時の千七百円って、今で考えれば3
万円にはなるはず。これとは別にキャプテンのフィギュアを買っての
話しですから、合計すると7万円くらい!? こういう無茶としか思え
ない値段設定も、当時は子供の数が多かったから何とかなったと玩具
会社の人は言っていましたが、これだけの値段なら大事にするでしょ
うから、1体くらいは残っていて当然のはず。やはり未発売なのか。

2012.11.22

アメコミ番長石川裕人コラムマーベル・コミックスその他

【新刊紹介】『スパイダーマン:ウィズ・グレート・パワー』『ホーリー・テラー』

12月10日発売予定の『アート&メイキング・オブ・ダークナイト・トリロジー』の
推敲作業が、去る18日にようやく終了。
これで来月の10日は本屋に並ぶんですから、印刷技術の進歩を感じずにはいられません
(まぁ、新聞なんかは、毎日ですが……)。

作業中は、ほとんど他の仕事に手がつけられず、このコラムも久しぶりになって
しまいましたが、その間に発売されたのが、
以前にもご紹介した『スパイダーマン:ウィズ・グレート・パワー』。

spiderman_wgp_cvr_1022.jpgのサムネール画像




















先日、ソフトが発売されたばかりの映画『アメイジング・スパイダーマン』に登場する
新デザインのコスチュームの元ネタとして知られるこの作品(下図参照)、

イラスト①.jpg


イラスト②.jpg


















実は、プロレスデビューしたスパイダーマンが、あれこれ試行錯誤する中で着用した
コスチュームの一つという設定で、出番はほんの数ページ。
映画のスタッフがどれほどコミックスに詳しいのかわかりませんが、
よく見つけてきたものだと思います。
この作品の出版を決めたのは、映画版とのコスチューム繋がりでもあったんですが、
やはり、決め手は作品としての面白さ。
誰もが知っているスパイダーマンのオリジンはさらっと済ませて
(それを補完する意味で、スパイダーマンが初登場した
『アメイジング・ファンタジー』#15を併載したわけですけれど)、
超能力を手に入れた"冴えない"高校生、ピーター・パーカーの"増長"ぶりを、
スパイダーマンのイメージを崩さないギリギリの範囲で赤裸々に描いています。

ベン伯父さんを失って、自分の過ちに気づくまでのスパイダーマンは、
ああいうヒーローっぽい恰好はしていても、
実際のところは、超能力を持った人気タレントなわけです。
超能力で人々を助けるわけでも、悪事を働くでもなく、
ちょっとした私利私欲を満足させたいだけという今回の設定は、
ある意味、とてもリアルで、普段のヒーローコミックスではなかなか味わえない
テイストの青春ドラマに仕上がっていると思います。

今年で50歳になるスパイダーマンですが、まだまだ新たな可能性が……と、
『フラッシュポイント:バットマン』でもこんな事を書いたような覚えがありますけれど、
こういう変化球が面白く思えるのも、長寿キャラならではでしょう。
捻ったラストも含め、二転三転するストーリー展開も秀逸ですし、
名作『スターマン』の鬼才トニー・ハリスの肉感的なアートワークも印象的。
一味違ったコミックスを読みたい方にもお勧めです。


絶賛発売中の『スパイダーマン:ウィズ・グレート・パワー』に続いて、
今月30日に発売になるのが、フランク・ミラーの最新作にして、
賛否両論を巻き起こした問題作『ホーリー・テラー』。

holyterror_cvr_rgb.jpg














9.11同時多発テロを受け、バットマン対アルカイダとして企画されたものの、
諸事情によりDCコミックスではなく他社からの発売になったという経緯だけでも、
ただ事ではない感満点ですが、ミラーという作家の"現在"を知る意味でも
見逃せない作品だと言えるでしょう。

クリス・クレアモント、ジョン・バーン、マーブ・ウルフマン、ジョージ・ペレス、
アラン・ムーア、ウォルト・サイモンソン、ビル・シンケビッチといった
80年代にコミックスという分野に変革をもたらした作家達の中でも、
最も"成功"した人物と言っても過言ではないミラーは、
その著作の多くが邦訳され、作風の変遷をリアルに辿れる稀有な存在です。

『バットマン:ダークナイト・リターンズ』以来、"意志の力"にこだわってきた彼が、
アメリカ"人"の命が狙われるという、9.11以降の現実に、いかに向き合ったのか。
プロパガンダと揶揄する向きもありますが、アメリカを取り巻く現状に、
コミックスという自らの表現手段で応える行為自体は、作家として当然の事でしょう。
その主張を受け入れるかどうかは読み手の自由ではありますが、
その答えを出すのは、フランク・ミラーという人物と向き合ってからだと思います。

本書は、『シン・シティ:ザッツ・イエロー・バスタード』以来、
ミラーのお気に入りとなったパートカラーで制作されています。
基本的にはモノクロで、ワンポイント的にカラーが指してあるのですが、
その再現が思った以上に大変でした。
モノクロに1色足すだけでいいんだと思ったんですが、その1色も単なる1色でなく、
いくつかの色のかけ合わせだったんです。

イラスト③.jpg











専門的な話をすると、カラーの印刷物は、CMYK(青、赤、黄、黒)の
4色のインクをかけ合わせて表現されているため、
モノクロに比べて4倍のインク代がかかる計算になります。
それが今回は、2色で済むかと思ったんですが、甘かったですね。
ワンポイントのカラーもかけ合わせなら、単なるスミベタも、
黒1色ではなく、他の色が入っていたんです。
確かに、黒1色のベタよりも他の色を入れた方が、
締まって見えるんですが、どうせ、フルカラーと変わらないのなら、
フルに塗ってくれればいいのに……
(ちなみに見返しの紙も、オレンジの紙ではなく、白い紙にオレンジを印刷したもの)。

思わぬところで手間取ってしまいましたが、
それだけミラーのこだわりが強い作品という事なのでしょう。
紙の見本を見たいとまで言われたのはこれが初めてですし、
日本語の書体まで監修が入りました
(『シン・シティ2』の撮影が始まるから急いでねというご要望)。

以前の『300』でも、ミラーという人の歴史観、価値観には触れたつもりでしたが、
それ以上に、彼という人物の深い部分に触れる事のできる作品だと思います。
とにかく、ミラーという作家の今を知るには欠かせない作品でしょう。

そして来月12月は、何とか『ダークナイト ライジング』のDVD/BD発売に間に合った
都内某書店様では、今年一番の売り上げを記録したという『マーベルゾンビーズ』の続編、
『マーベルゾンビーズ2』が発売予定。
ただし、今なお鋭意制作中なんですが……。

2012.09.25

アメコミ番長石川裕人コラム

アメコミプラモの波は10年ごとにやって来る!

ミリタリーモデルで有名なドラゴン社から、
映画『アベンジャーズ』のキットが発売。
え~キットぉ、自分で作るのぉ、と
敬遠しそうになるところ、塗装済もあるよとのことで
購入決定。で、今日届きました。

A.jpg

B.JPG
















C.JPG

D.JPG














ご覧のようにほとんどがソフビで、ハメこむだけで完成。
とはいえ、一度、ハメこむと外すのが面倒そうなので、
とりあえず眺めて満足。
見ての通り、ウェザリングも施されていて、
これで6000円なら文句はないんじゃないでしょうか。
無駄にデカいパッケージは、もうちょっと
なんとかならなかったのかと言いたくなりますけど。

一緒に届いたアイアンマンも、
自分じゃ絶対に無理と思える仕上げの良さで大満足。
ダークナイトシリーズも買ってみようかという
気にさせてくれます。

せっかくなので今回は、購入記念にアメコミのプラモデルに
ついて振り返ってみましょう。

日本でキャラクターのプラモと言えばガンプラですが、
ウルトラマンや仮面ライダーのプラモが
ほとんど出ていないように、曲線だらけの
アメコミヒーローはプラスチックでは再現し難いのか、
やはり点数は少なめです。

今回はハルクを中心に話を進めますが、
最初期のプラモ化は、伝説のオーロラ社が
1960年代に発売したモデル。
マーベルからは、スパイダーマン、ハルク、
キャプテン・アメリカが発売され、
一方のDCからは、スーパーマン、バットマン、ロビン、
ワンダーウーマン、ペンギン(なぜ?)などが
発売されてました。
E.jpgのサムネール画像


G.jpg


F.jpgのサムネール画像






















箱絵の背景そのままのジオラマベースが付いているのが
特徴で、ものによっては、水しぶきや煙まで
パーツ化されています。
自分は、後にモノグラムから再販されたスーパーマンしか
作ったことはありませんが、60年代という時代を考えれば、
何の不満もない出来だったのではないでしょうか。
この「ハルクはちょっと不気味ですが……。

初版の箱絵はカービー御大で、74年に再販された時は、
当時のレギュラーアーティストのハーブ・トリンピーに
変更され、8ページのミニコミックがオマケに。
さすがに自分も買ったことはありませんが、
レプリカも出てるので興味のある方は。

それにしても、デビューから5年ほどで
プラモ化されたり、アニメ化されたりしたんですから、
やっぱりマーベルヒーローはインパクトが
あったんでしょうね。

自分が初めて買ったアメコミプラモは、
78年頃に出たMPC社製のキット。
スパイダーマンとハルクの2種類で、
相当、やりくりして買った記憶があります。
なぜ、この2人なのかと言えば、
当時、実写ドラマを放映していたからでしょう。
なんだかんだ言って、TVの力は圧倒的ですから。

H.jpgのサムネール画像
I.jpg

















見ての通りの色分けキットで、スパイダーマンなど、
背中のクモマークまで別パーツ化してありました。
造形も素晴らしく、とても30年以上の前のキットには
見えません。
手が握った物と開いた物で差し替えでき、
開いたバージョンは、上に何か置いて飾れと。
ちまちま作ってたんですが、バラしたパーツを
コンビニの袋に入れておいたら、ゴミと間違えて……。
オークションで買い直したら、昔、買った時より安くて、
そっちの方がショック。

80年代に入るとアクションフィギュアの全盛期になり、
子供向けのプラモ市場は消滅してしまいましたが、
代わって登場したのが、大人向けのモデルキット。
88年くらいに突如として登場したホライゾン社がそれで、
厳密にはプラモではなくソフビキットでしたが、
スパイダーマン、アイアンマン、パニシャー、
シルバーサーファーの4種類を同時発売。
しかも、パニシャーはジム・リーがデザインするなど、
当時の担当アーティストを起用しているのがウリでした。
日本でも、ビリケン商会など、精密なソフビキットが
普及してきた時期で、けっこう遜色ない出来でした。

アクションフィギュアはまだまだ子供向けだったので、
年上のマニアが飛びついたのか、シリーズは順調に拡大。
で、登場したのがこのハルク。

J.jpg
K.jpg














いや、ビックリしました。他にもシングやウルヴァリンが
発売されたんですが、今の目で見ても素晴らしい造形!
ただ、ここまでよく出来てると、塗る方の腕が問われるわけで、
結局、自信がなくて素組みしたまま、20年以上が経過。

驚いたと言えば、これらのモデルの原型師が日本人だったこと。
MOTO HATAさんという方で、ハリウッドで新人スカルプターとして
活躍中という触れ込みでした。
この原稿を書くにあたり調べてみてわかったのですが、
HATAさんは大阪出身で、単身、ハリウッドに渡って
あのスクリーミング・マッド・ジョージの弟子になり、
その後は数々の映画で活躍されていたそうです。
『ヘルボーイ』『X-MEN:ファイナル・デシジョン』
『ファンタスティック・フォー』『300』『ウォッチメン』と、
アメコミファンにも馴染み深い数々の作品を
手がけられていたそうなんですが、
2009年に47歳の若さで亡くなっていたと知り、驚きました。
モデルではなくて、本物のヒーローを造形されるように
なっていたのに、実に残念です。

スポーンの登場で、アクションフィギュアの
質が上がってくると、自分で作るというハードルが
敬遠されたのか、いつしかホライゾンの名前も
聞かなくなり……。
そんな中、マーベルのフィギュアで知られるトイビズ社が
唐突にマーベルヒーローのプラモを発売。
90年代後半だったと思いますが、いきなりにしては
いいデキではないでしょうか。

L.jpg











難易度でランクづけされていたのが印象的ですが、
アメリカに輸出されたガンプラも同じように難易度を
表示していたので、アメリカのプラモ界では
よくあることなんでしょう、多分。
塗るのがラクそうなので、シルバーサーファーを
作ってみましたが、プラが驚くほど柔らかいのが印象的でした。
よくは出来ていたんですけれど、やはり唐突過ぎたのか、
シリーズが拡がることはなく……。

こうして振り返ってみると、10年ごとに
モデル化の波が来ているようにも思えます。

果たして10年後はどうなっているのか?
まぁ、うちのホライズンのキットが今のままなのは
確実なんですが……。

MENU

BACK NUMBER

ドクター・ストレンジ:ウェイ・オブ・ウィアード

ジェイソン・アーロン=著

クリス・バチャロ=絵

御代しおり=翻訳

NEW